AI時代の翻訳者が持つべき「新しい翻訳資産」
翻訳者の資産といえば、長い間次の2つが中心でした。
- 翻訳メモリ(TM)
- 用語集
CATツールの普及によって、多くの翻訳者は
TMを重要な資産として蓄積してきました。
しかしAI翻訳が進化した現在、
翻訳者の資産の形は少しずつ変わり始めています。
これから重要になるのが
Codex(翻訳パターンデータベース)
という考え方です。
この記事では
- TMとCodexの違い
- なぜCodexが重要になるのか
- AI時代の翻訳者の資産
について解説します。
従来の翻訳者の資産:TMと用語集
これまで翻訳者の資産といえば
翻訳メモリ(TM)
でした。
TMとは
過去の翻訳を保存するデータベース
です。
例えば
The device comprises A and B.
→ 装置はAおよびBを含む。
のように
原文と訳文のペア
が保存されます。
CATツールでは、このTMを参照することで
同じ文章を再利用できます。
この仕組みは翻訳効率を大きく上げました。
TMの限界
しかしTMには弱点もあります。
それは
文章単位でしか保存できない
ことです。
例えば特許翻訳では
- according to an embodiment
- the present invention provides
- X is configured to Y
などの表現が頻繁に出てきます。
しかしTMでは
文章が完全一致しないと再利用できません。
つまり
翻訳ノウハウが
データとして整理されていないのです。
Codexとは何か
そこで登場するのが
Codex
です。
Codexとは
翻訳パターンのデータベース
です。
例えば
according to one embodiment
→ 一実施形態によれば
X is configured to Y
→ XはYするよう構成されている
A continuing need for X exists
→ Xに対する継続的なニーズが存在する
このように
翻訳の型
を保存します。
つまり
TM
=翻訳履歴
Codex
=翻訳ノウハウ
という違いがあります。
なぜCodexが重要になるのか
特許翻訳や技術翻訳では
同じ構文が何度も出てきます。
例えば
- according to an embodiment
- the present invention relates to
- the invention further provides
などです。
つまり技術翻訳は
構文パターンの集合
とも言えます。
そのため
翻訳パターンを蓄積するほど
翻訳スピードが上がります。
AI時代の翻訳資産
AI翻訳が進化すると
翻訳者の価値は
どれだけ翻訳データを持っているか
に変わります。
つまり
翻訳者の資産は
昔
- TM
- 用語集
でした。
しかしこれからは
今
- Codex
- 技術知識データベース
- AIツール
になります。
CodexとAI翻訳
CodexはAIと組み合わせることで
さらに強力になります。
例えば最近注目されている
RAG翻訳
です。
RAG翻訳では
原文
↓
データ検索(Codex)
↓
AI翻訳
という流れになります。
つまり
AI + 翻訳データ
という仕組みです。
これによって
- 用語の一貫性
- 翻訳品質
- 翻訳スピード
が大きく向上する可能性があります。
Codexの作り方
Codexは特別なツールがなくても作れます。
例えば
Obsidian
Markdownで翻訳パターンを蓄積
Excel
簡単な管理なら十分
Notion
データベース形式で管理可能
重要なのは
1パターン1エントリー
にすることです。
Codexを作るメリット
Codexを作ることで
次のようなメリットがあります。
翻訳速度が上がる
定型表現を毎回考える必要がなくなります。
翻訳品質が安定する
訳語のブレが減ります。
AIと連携できる
RAG翻訳などに組み込むことができます。
まとめ
翻訳者の資産は長い間
- TM
- 用語集
でした。
しかしAI時代では
- Codex
- 知識データベース
- AIツール
が重要になりつつあります。
翻訳者の仕事は
単なる翻訳から
知識とデータを扱う仕事
へ変わっていくのかもしれません。
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